【ハロウィーンの歴史】#4|中南米での死者の日

歴史いろいろ

アメリカ大陸に渡り、ジャック・オー・ランタンやトリック・オア・トリートといったものが生まれ大衆文化になったハロウィーン。

同じアメリカ大陸でも、中南米ではハロウィーンはまたひと味違った進化を遂げていました。

縄文ポシェットさん
縄文ポシェットさん

あ!リメンバー・ミー!
この世界観大好きなんだ~!
たしか、メキシコの「死者の日」の話だよね~。
ハロウィーンに関係あるの??

遮光器インコ
遮光器インコ

「死者の日」って奥深くて、ヨーロッパでの「万霊節」や「万聖節」の方に結びついたものって感じかな?
なにより重要なのが、マヤやアステカの伝統が影響しているってこと。
北アメリカの方とはまた違った祝祭になっているところもポイントだよ。

この記事でわかること
中南米での「死者の日」の内容と、ハロウィーンとの関わり。

中南米の死者の日

縄文ポシェットさん
縄文ポシェットさん

メキシコの死者の日は映画「リメンバーミー」で有名になったよね~!
死者の日ってどんなことするの?

中南米では、死者の日(ディアス・デ・ロス・ムエルトス)が祝われてきました。

この死者の日は、キリスト教の慣習からケルト人の影響が取り除かれ、代わりにこの地に伝わる祝祭が結びついたものと考えられています。


10月31日の日没から11月2日いっぱいに行われ、万聖節と万霊節を含む亡くなった人に捧げられるもので、中央アメリカの大部分と南アメリカの一部、北米の国境あたりで行われるものです。

死者の日には、人びとは、墓地を訪れ、家庭には祭壇を飾ります。

メキシコーアステカ族の伝統との融合ー

かつてメキシコにあったアステカ族は「死者の小祝宴」と「死者の大祝宴」をおこなっていました。

とくに大祝宴の際には、生け贄が捧げられ、あわせて収穫祭「ショコトゥル・フルーツの大秋季」もひらかれ、特別な食べ物「タマーレス」が供されました。
このとき黄色のマリーゴールドの花輪が飾られたといいます。

スペインのエルナン・コルテスがアステカ王国を征服すると、
キリスト教徒となった現地の人びとは、万聖節には亡くなった子どもたちに、
万聖節には亡くなった大人に捧げ物をするなどしており、
「死者の小祝宴」も「死者の大祝宴」も「すべての聖人(オールハロウズ)」の祝祭に引き継がれていきました。

遮光器インコ
遮光器インコ

アステカ族はスペインに滅ぼされ、キリスト教に改宗させられたんだけど、その頃から徐々にヨーロッパからハロウィーンなどの祝祭が伝わっていったんだろうね。


祭壇や捧げ物

ほとんどの地域で、祭壇には綺麗な白い布がかけられ、その上に食べ物や飲み物、たばこ、コップ一杯の水、塩などが供えられ、死者や聖人の写真やマリーゴールドなどの花が飾られます。
さらに祭壇のそばには、コパールというお香が焚かれるそうです。

縄文ポシェットさん
縄文ポシェットさん

なんと!コパール売っているんだね!
どんな匂いがするんだろう・・?


プエブラ州では、祭壇の周囲にマリーゴールドの花びらが敷き詰められ、道路へと続いている光景がひろがります。
家を訪れ捧げ物をすると、パンとチョコレートを食べて帰るようにうながされるそうです。

遮光器インコ
遮光器インコ

アステカ族はマリーゴールドは太陽神トナティウからの贈り物だと信じていたんだって。

死者の日を象徴するものにキャンディスカルがあります。

キャンディスカルは1841年に露店に並んでいたという記録があり、1896年には動物をかたどったキャンディや小さな死体に似せたキャンディがみられたとあります。



観光スポットになる死者の日

メキシコでは20世紀以降、死者の日をみるために多くの観光客がメキシコにやってくるようになりました。

死者の日の観光地として有名なのが、ミチョアカン州パツクアロ湖周辺の地域です。パクツアロはかつてプレペチャ王国の中心地で、プレペチャ族はアステカ族と同時代に生きた人びとです。

パクツアロの死者の日は10月28日にはじまり、11月1日は墓地が飾られますが、一番すごいのが男たちが槍を使って捧げるための野ガモをとることで、600隻のカヌーを使って、1日に2万5000羽をとるというスケールの大きさなのです!

縄文ポシェットさん
縄文ポシェットさん

スケールが大きすぎてわからないよ~



グアテマラの死者の日

グアテマラの死者の日は特徴的で、なんと大凧が登場し、大凧で帰ってくる死者を導くというのです。
大凧は竹の骨組みにカラフルな伝統模様を描いたシートを張って作られています。

グアテマラ サンチアゴサカテペケスで行われた死者の日イベント
毎年11月1日の死者の日にお墓で行われる大凧揚げのイベントがサンチアゴ サカテペケスで行われました。動画は一番最初の大凧を何十人もの男たちで起きあげる映像です。
縄文ポシェットさん
縄文ポシェットさん

カラフルで綺麗・・!
こんなカラフルな凧に導かれたら踊りたくなっちゃうかもね!?



ニカラグア・エクアドル・ブラジルの死者の日

グアテマラの大凧はなかなか派手ですが、その他の南米地域ではわりと静かに過ごされるそうです。

ニカラグアでは家族が故人の墓のそばで夜を過ごし、エクアドルでは家族が墓の脇で食事をします。

ブラジルでは死者の日は1日みで、11月2日に墓へいくそうです。


近年の死者の日

近年、「死者の日」は北アメリカにも広まりつつあり、とくに都市部では異文化接触と商業化の波に乗っているためでしょう。

反対に、メキシコの一部地域ではハロウィーンもおこなわれてきているそうで、

「トリック・オア・トリート」から「ケレモス・ハロウィーン」(ハロウィーンちょうだい)にかえられているところが少しおもしろいです。

彼らには骸骨や魔女のコスチュームも人気だそうです。


おわりに

北アメリカのハロウィーンとはひと味違った進化を果たした、南米での「死者の日」。

まとめると・・

・おもにメキシコなどでの死者の日は、ヨーロッパのハロウィーンからケルト人のサムハイン祭の要素が抜け、キリスト教の万聖節や万霊節と、マヤ・アステカ族の伝統が結びついたもの。
・近年では、死者の日も観光と結びついている。
・ハロウィーンも中南米の人びとに細々と受け入れられてきている。
遮光器インコ
遮光器インコ

『リメンバー・ミー』もう一度見たくなってきたなぁ。
お読みいただきありがとうございました!

参考文献

遮光器インコ
遮光器インコ

今回のハロウィーンの歴史シリーズは、こちらの本をかなり参考にさせていただきました!
面白すぎて、記事にまとめることにしましたが、つたない文章でもあり、まとめきれない奥深さがあるので、さらに詳しく知りたい!という方はぜひ!

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